保存版!超白熱の第33回高校プロコン・レポート 各校コメント編①

速報!室蘭工業が初出場で初優勝!超白熱の第33回高校プロコンでお伝えしたように、第33回全国高校生プログラミングコンテスト(高校プロコン、主催:全国情報技術教育研究会)で激戦を制し、優勝に輝いたのは決勝大会初出場の北海道室蘭工業だった。今年は決勝大会の方式が変更になり、全8チームをA・Bリーグの2つに分け、事前に6試合を実施した。このリーグ戦の上位4チームのみが決勝トーナメントに進み、各試合ともに白熱した戦いが繰り広げられた。本レポートでは保存版として、決勝大会に進出した全8校8チームの写真と試合直前のコメントをお送りしていく。今回は第1弾として、宮城県工業、埼玉県立玉川工業、北海道室蘭工業、長崎県立長崎工業の4校の過去の戦歴と、リーダーのコメントを紹介する。※なお、紹介順はコメント順で順位とは関係ありません。

 

第33回全国高校生プログラミングコンテストの決勝大会。今年は51チームの参加があり、最終的に予選を勝ち抜いた8校8チームがここ埼玉県桶川市に集合した!
第33回全国高校生プログラミングコンテストの決勝大会。今年は51チームの参加があり、最終的に予選を勝ち抜いた8校8チームがここ埼玉県桶川市に集合した!

決勝大会出場の8校8チームの戦歴
高校プロコンは、「全国の工業高校等に学ぶ生徒に、創造力を発揮した新鮮な発想でのプログラミングの作成を通して、作る喜びや達成感、ものづくりへの興味関心を高めさせるとともに、次代を担うスペシャリストとしての資質を向上させる」ことを趣旨としている。国内で最も歴史の長いITコンテスト、第33回高校プロコンの決勝大会に出場した8校8チームは以下の通り。 なお、太字が今回する学校。()カッコ内の出場回数は決勝大会出場回数。

 
北海道旭川工業高等学校(3年連続:過去最高順位5位)
北海道小樽工業高等学校(5年連続:準優勝2回)
北海道室蘭工業高等学校(初出場)
宮城県工業高等学校(5年連続:初出場で準優勝、3連覇中)
埼玉県立越谷総合技術高等学校(2年連続3回目:過去最高順位5位)
埼玉県立玉川工業高等学校(2年ぶり2回目:過去最高順位8位)
愛知県立名南工業高等学校(2年ぶり3回目:過去最高順位準優勝)
長崎県立長崎工業高等学校(2年連続2回目:過去最高順位7位)

 

それでは各チームをコメントと共に紹介していこう。

 

  3,000試合で4連覇へ!3連覇直後から目標に

宮城県工業高等学校(5年連続:初出場で準優勝、以後、3連覇中)

宮城県工業は2009年から3年連続で優勝している強豪校。高校プロコンで優勝を目指す高校生たちは昨年あたりから打倒・宮城県工業を口にするほどの大きな存在で、圧倒的な強さを誇っている。母体となっているのは部活動の情報研究部。「CHaser」シリーズでは2008年に準優勝してから今年で5年連続出場中。リーダーの情報技術科3年・成田拡文さん(上写真:左から3番目)に意気込みを聞いた。

「もちろん4連覇を目指しています。昨年3連覇した時点で、来年も目指すぞ!と部内で話し合っていました。去年より準備がしっかりできたので、校内試合数は3000試合を超えました。メインプログラマは昨年と同じで齋地崇大君(上写真:左から2番目)が担当しています」
本人はあまり詳細を語らないが、2011年3月11日の東日本大震災のため、昨年はあまり準備が出来ていない状態だったが、3連覇という大きな目標を達成した。今年はその震災の傷も癒えて、準備万端だったということだ。宮城県工業では例年、例年、部員全員がまずプログラムを作成する。さらに校内予選を実施し、上位チームを選び、さらにその中で予選を繰り返すというやり方でメインプログラムを決めていくという徹底ぶりだ。

「今回は、私と齋地君と、3年生の渕上拓也君(上写真:左)の3つメインプログラムを用意しています。バグはほとんどなしの状態です。今回も優勝を目指し、4連覇を狙います!」

と、準備万端の様子。果たして結果は??

 

  夏休みを返上してプログラミング&バグ修正!玉工最後の闘い!

埼玉県立玉川工業高等学校(2年ぶり2回目:過去最高順位8位)

玉川工業が2年ぶりに全国大会に戻ってきた。今回で2回目の出場で前回の2010年は残念ながら8位だったが、今回は意気込みが違う。それはまず、来年2013年春で玉川工業が64年の歴史を閉じるということだ。つまり高校プロコンへの挑戦も今年が最後ということになる。もう一つは、前日に発表された埼玉県プロコンで、玉川工業は最優秀賞を受賞しており、県内45チームの頂点に立ったプログラムを用意しているということだ。前日の埼玉県プロコンでもプレゼンで頑張っていたリーダーの情報技術科3年・馬場隆也さん(上写真:右)に意気込みを聞いてみた。

「時間内にやれることはやり切りました。僕たちは、1学期から課題研究で取り組んできました。今回は優勝を目指して夏休みも返上して制作してきました」

夏休みはじつに朝8-9時には学校に行き、プログラミングを行い、午後は家に戻り、自宅でバグ修正、という毎日を繰り返したという!

「最終的に6本のプログラムを選びました。三回戦分のHot用、Cool用を3本ずつ、計6本を作りました。アイテムまでの最短距離を求めて移動するプログラムが苦労しました。弱点としては、罠を回避するバグがあったのですが、現在は修正済みです。テストした限りでは大丈夫です!」

 最後に目標を聞いてみた。

「一番意識している学校は、やはり宮城県工業ですが、全国大会なので、どこも強いと思っています。ただ、玉工としては最後なので、優勝で終わりたいです!」と力強く結んだ。

 

  大会用のプログラムはひとつ。初出場なので、1勝を目指します

北海道室蘭工業高等学校(初出場)

北海道室蘭工業は今回初応募でいきなりの全国大会初出場となったダークホース的な存在。北海道勢の躍進が目立つ本大会は、道内から過去最多の3校の出場。内訳は、初出場の室蘭工業、3年連続出場の旭川工業、じつに5年連続出場の強豪、小樽工業である。室蘭工業は初応募、初出場だけに過去のデータが全くない。参加者名簿を見るとメンバーはたったの二人。さらにリーダーは二年生で、さらに当日はたった1名での参加。インタビューする側も、される側も緊張の一瞬。どんな言葉が出てくるのか?たった一人で全国大会に臨む石橋俊文さん(情報技術科2年)に、まずは初出場について聞いてみた。

「全国大会には通ると思ってなかったのでびっくりしました」

高校プロコンへの出場の経緯は?

「もともとコンテストなどに挑戦したくて、先生(情報技術科の坂田俊哉)に相談しました」

石橋さんから相談を受けた坂田俊哉先生(情報技術科、今回も引率された)は、高校プロコンを紹介し、応募することになったという。つまり初応募で全国大会出場ということになる。これについては、

「運が良かっただけです」

と言葉少なく、謙遜する。とにかく緊張しているようだ。登録メンバーは2名。今日は一人での参加だが、役割について訊ねてみた。

「実際にはプログラミングも1人でやりました」

坂田先生によると、今回は実質ほとんど1人での挑戦とのこと。最後に決勝大会のために用意したプログラムと目標を聞いてみた。

「・・・決勝用のプログラムはひとつ、です。自信は全然ありませんが、初出場なんで、とりあえず1勝です」 

 

  油断は禁物!前日も深夜までバグ修正しました!

長崎県立長崎工業高等学校(2年連続2回目:過去最高順位7位)

長崎工業は昨年に続いて2年連続出場。昨年は福岡県の三池工業と揃って初出場を果たした。昨年は初出場で7位だった長崎工業。昨年もメンバーに入っていたという情報技術科3年・石井裕貴さん(上写真:右)が今回リーダーとなって全国大会に戻ってきた。

「去年は7位で本当に悔しかった、です。今年は雪辱を果たしたいです!今年は、打倒・宮城県工業、そして優勝を目標に掲げてます!」

石井さんは見た目のソフトさとは違って、かなりの気合いが入っており、ハイテンションだ。決勝大会用に用意したプログラムは?

「5本用意しました。まず、校内予選として、今日ここにいる3人でそれぞれ作成して、勝ち残った強いプログラムを選びました。大会用のプログラムは僕が作りました」

2人の役割は?

「予選が通ってからは、決勝大会を想定して、マップを作成してもらったりバグ修正などのサポートをしてもらいました」

九州からの参加ということで、前日入りしたメンバー。どんな準備をしていたのか聞いてみた。

「昨夜は浦和のホテルに泊まって、深夜までかかってメンバーにも手伝ってもらってバグ修正をしました。とにかく去年は油断したのが敗因なので」

と、すでに臨戦態勢が整っている。聞いていてこちらも緊張してきた。

「去年は2回負けると終りでしたが、今年はリーグ戦で試合数も多いですし、運の要素も少ないので、頑張ります!」

と最後まで気合いの入った受け答えだったのが印象的だった。

 

いかがでしたか?各校ともそれぞれ、取り組み方や思い入れ、過去の戦歴や目標も違いますが、CHaserという、ひとつの競技課題に向けて相当の準備をしてきた様子がうかがえます。この決勝大会へ進出できたのは51チーム中、たったの8校8チームのみ。ここに出場するだけでも大変な難関なのです。次回は各校コメントの第二弾、埼玉県立越谷総合技術、愛知県立名南工業、北海道旭川工業、北海道小樽工業の4校のコメント紹介します。詳細はこちら

報告 : ITジュニア育成交流協会事務局