保存版!超白熱の第33回高校プロコン・レポート 各校コメント編②

2012年11月11日(日)に埼玉県桶川市のさいたま文学館にて開催された第33回全国高校生プログラミングコンテスト(高校プロコン、主催:全国情報技術教育研究会)は各試合ともに白熱した戦いが繰り広げられた。本レポートでは保存版として、決勝大会に進出した全8校8チームの写真と試合直前のコメントをお送りしていく。今回はその第2弾として、埼玉県立越谷総合技術、愛知県立名南工業、北海道旭川工業、北海道小樽工業の4校の過去の戦歴と、リーダーのコメントを紹介する。
※なお、紹介順はコメント順で順位とは関係ありません。

決勝大会は予選と違い、マップの大きさが変化する。画面に映し出された番号を選択すると、マップが登場する。どんなサイズのマップが出てくるかは対戦までわからないため、当然プログラムもどんな大きさにも対応できるように設定しておく必要がある
決勝大会は予選と違い、マップの大きさが変化する。画面に映し出された番号を選択すると、マップが登場する。どんなサイズのマップが出てくるかは対戦までわからないため、当然プログラムもどんな大きさにも対応できるように設定しておく必要がある

決勝大会出場の8校8チームの戦歴
高校プロコンは、「全国の工業高校等に学ぶ生徒に、創造力を発揮した新鮮な発想でのプログラミングの作成を通して、作る喜びや達成感、ものづくりへの興味関心を高めさせるとともに、次代を担うスペシャリストとしての資質を向上させる」ことを趣旨としている。国内で最も歴史の長いITコンテスト、第33回高校プロコンの決勝大会に出場した8校8チームは以下の通り。 なお、太字が今回する学校。()カッコ内の出場回数は決勝大会出場回数。

 
北海道旭川工業高等学校(3年連続:過去最高順位5位)
北海道小樽工業高等学校(5年連続:準優勝2回)
北海道室蘭工業高等学校(初出場)
宮城県工業高等学校(5年連続:初出場で準優勝、3連覇中)
埼玉県立越谷総合技術高等学校(2年連続3回目:過去最高順位5位)
埼玉県立玉川工業高等学校(2年ぶり2回目:過去最高順位8位)
愛知県立名南工業高等学校(2年ぶり3回目:過去最高順位準優勝)
長崎県立長崎工業高等学校(2年連続2回目:過去最高順位7位)

 

それでは各チームをコメントと共に紹介していこう。

 

  埼玉県プロコンの最優秀校がCHaserでも頂点を目指す!

埼玉県立越谷総合技術高等学校(2年連続3回目:過去最高順位5位)

埼玉県立越谷総合技術高等学校は前日に開催された埼玉県プロコンの表彰式でプログラミング部門、ホームページ部門で最優秀賞をダブル受賞した強豪校。写真右の吉岡侑里乃さん(情報技術科3年)はホームページ部門で優勝した作品「越谷であそぼ!」チームの一員だ。高校プロコンでは2年連続3回目の出場を誇る。過去最高順位は5位と、入賞まであと一歩のところまできている。本大会の紅一点、吉岡さんと、同じ情報技術科3年の佐藤玲於さんのふたりに意気込みを聞いた。

「今年の目標は当然、宮城県工業を倒し、全国の頂点に立つことです!」

と2人は声を揃えて言う。肝心のプログラムの内容については

「予選からずっと1本です(笑)」「うふふふ」

と、こちらに関しては両名とも不敵な笑いを浮かべた。

「プログラムは僕が担当し、アイデアを出し合って、という感じです。出来としては、長いスパンで見れば勝てるようなプログラムにしてあります」

と自信満々だ。試合数が増えてもこのプログラム1本で大丈夫だと2人は笑う。制作にあたって、苦労した点は、

「決勝大会用に新しい機能を追加して、そのためのバグ修正が大変でした」

と吉岡さんは語った。さらに同じ埼玉県の玉川工業について訊ねると、

「昨日のプレゼンを聞いていたら、同じような機能があって・・・」

と、直前になって少し不安がよぎったようだ。さて、越谷総合技術では選択授業として「CHaser」に取り組んでおり、同じ情報技術科の生徒も多くエントリーしているという。学校を代表しているという2人は過去の5位を超えられるか?

 

  予選用のプログラムを強化して1勝を目指す!

愛知県立名南工業高等学校(2年ぶり3回目:過去最高順位準優勝)

愛知県立名南工業は、2年ぶり3回目の出場。前回の2010年は準優勝しており、今回もどのような闘いを見せてくれるか楽しみな存在だ。情報技術科3年の佐々木晃太さん(上写真:中央)に応募の理由から聞いてみた。 

「3年生の課題研究テーマのひとつが高校プロコン(CHaser)になっていて、僕ら3人がチームを作ることになりました」

予選通過の報を聞いてメンバーの反応は?

「驚きました!どれくらいの強さで全国大会に行けるのかが全然わからなかったので・・・」

メンバー構成と役割を教えてください。

「瀧本詠士くん(写真左)は僕と同じくプログラミングを担当して、塚原雅大くん(写真右)は学校紹介ビデオの作成です」

予選までの動きは?

「去年の先輩たちのプログラムを参考したことと、おととしの宮城県工業の優勝のプログラムを研究しました」

決勝大会用のプログラムについては、1本のプログラムで戦うという。そのプログラムの特徴について聞いてみた。

「予選用に提出したプログラムを強化して、機能重視を狙いました」

最後に目標を聞いてみたところ、

「時間もあまりなかったこともあって、まずは1勝できればと思っています!」

と控えめなコメントでしたが結果は果たして??  

 

  3度目の正直で優勝を狙う!効率よくマップを回るプログラムで挑む!

   北海道旭川工業高等学校(3年連続:過去最高順位5位)

近年メキメキと力をつけてきているのが北海道旭川工業だ。CHaserでは2010年から3年連続出場し、常連校としても知られる。一方で成績の方は最高順位が5位と、入賞まであと一歩というところだ。情報技術科3年生の小栗拓也さん(上写真:左から3番目)に意気込みを聞いた。

「今回は優勝を狙っています!3年連続になったので、今回は優勝を目指して頑張ろうとメンバーと話し合いました」

優勝を口にする小栗さんの目も真剣そのものだが、それを黙って聞いている周囲のチームメンバーたちの目も熱い。

「僕は3年間連続でプロコンに参加してきました。先輩から引き継いできたものを発揮できるように、優勝目指して頑張りたいです」

活動の母体は情報処理部だ。小栗さんによると、昨年までは旭川プロコンの推進役としても有名な、下村幸広先生(旭川工業:情報技術科長で同部顧問)に指導を受けて参加していたという。さて、今年はどうやって戦うのか聞いてみた。

「プログラムは1本のみで挑戦します。決勝大会出場が決まってから、プログラムの内容をだいぶ改善してきました」

プログラムの特徴と苦労した点は?

「効率良くマップを回るようにプログラム開発をしましたが、その作業が大変で苦労しましたが、優勝を狙っていきます」

と、終始「優勝」を口にして、気迫がみなぎっている印象が強かった。

 

  5年連続出場の伝統で優勝を目指します!

   北海道小樽工業高等学校(5年連続:準優勝2回)

北海道小樽工業は2008年にCHaserシリーズが採用されてから5年連続出場という常連・伝統校だ。しかも2009年と昨年は準優勝と、強豪としても知られている。今回はどうしても勝ちたい、とメンバーは口を揃えて言う(上写真:左=河岸伸弥さん、隣=山本大陸さん、共に情報技術科3年)。それは、小樽工業の情報技術科が来年の3月で閉鎖されるからだ。河岸さん、山本さんたちの代が卒業すると、情報技術科もなくなってしまう。これまで高校プロコン、CHaserに挑戦してきたのは情報技術科の生徒たちが中心となって活動してきた情報技術部だった。現在は、別な科の後輩もいるが、状況は厳しくなりそうだ。そういう意味でも最後の闘いになるかもしれない、と話す2人は、今年こそは優勝を手にしたいのだ。まずは、決勝大会出場の報を聞いてどう思ったのか。

「昨年まで4年連続出場している伝統があるので嬉しかったです」

今年の目標は?

「優勝を狙っています」

全国大会用のプログラムとその出来は?

「全国大会用に2本のプログラムを用意しています」

これまで苦労した点などは?

「じつは情報技術研究部で強かった仲間が途中で辞めてしまって・・・ただ、プログラムは残していってくれたので、それを改良したりしました」

と、山本さんは振り返る。河岸さんは、

「ルールの発表後の対応が難しかったですが、やってみないとわかりません!」

と強気だ。最後に、彼らとしては情報技術研究部の後輩2人(電子機械科、建設科)に託して、今後も高校プロコンに挑戦して欲しいという。

 

これで決勝大会出場の8校8チームの写真とコメントを全て紹介しました。前回の「保存版!超白熱の第33回高校プロコン・レポート 各校コメント編①」はこちらから。各校がいかに3連覇中だった宮城県工業を意識していたかが浮き彫りとなりました。また、明確に優勝を狙うチーム、まあ1勝できれば良い!と割り切るチームと分かれていたのも興味深いです。いずれにせよ、それぞれ、取り組み方や思い入れ、過去の戦歴や目標も違いますが、CHaserという、ひとつの競技課題に向けて相当の準備をしてきた様子がうかがえます。この決勝大会へ進出できたのは51チーム中、たったの8校8チームのみ。ここに出場するだけでも大変な難関なのです。次回は各校の最終結果と表彰式の様子、記念撮影などを掲載し、保存版にふさわしくレポートの最後を飾る予定です。お楽しみに!

報告 : ITジュニア育成交流協会事務局

いよいよ決勝大会・・・直前まで修正作業に取り組む小樽工業のメンバー
いよいよ決勝大会・・・直前まで修正作業に取り組む小樽工業のメンバー