6回目を迎えるU-16プロコン 「旭川モデル」として全国展開も

 旭川で6回目を迎えるU-16プログラミングコンテストの準備が着々と進みつつある。7月の事前講習会から始まり、現在、競技部門に参加する子どもたちは11月6日に旭川市科学館で行われる大会に向けて、自分のプログラムに日々磨きをかける段階に入っている。

 

 U-16プログラミングコンテスト旭川大会は、旭川市や近郊の中学校・高等学校に在籍する16歳以下(高校1年生以下)の子どもたちを対象にしたコンテスト。2011年に始まり、毎年参加者を増やしながら今年で6回目を迎える。

 

 コンテストには、競技部門と作品部門がある。競技部門は対戦型ゲームプラットフォーム「CHaser旭川版」の上で参加者が作成したプログラム同士が戦って勝敗を決めていく。自分の書いたプログラムが観客の前で戦うのだから、ある種、スポーツのような興奮を伴う部門だ。作品部門は、CGやウェブコンテンツ、アプリ、音楽など、プログラムを用いて制作した作品であれば自由に参加できる。

 

 実行委員会が掲げる大会の目的は四つ。「パソコンが好きな子どもたちの夢や目標となる場所を提供する」「情報技術を生業としている大人が子どもたちの作品を評価し、ほめ称える場所を提供する」「情報技術を通じた子どもたちの健全育成」「将来のITエンジニア育成」。このどれもが、子どもたちの成長を願う気持ちに溢れているが、さらに旭川の大会がすばらしいのは、ゼロからプログラミングを学ぶ子どもたちのために、「先輩が後輩を教える」という仕組みをもっている点だ。

 

 秋の大会に向けて、実行委員会は夏休みに競技部門の参加者を対象に事前講習会を開催し、プログラミングの基本と、大会で使用する「CHaser旭川版」のプログラミングを教える。講習会終了後、子どもたちは中学校のクラブ活動などで自分のプログラムを磨いていくことになるのだが、どうしてもわからないこと、行き詰まってしまうことがある。このとき、中学校が実行委員会に連絡すると、旭川工業高校や旭川工業高等専門学校でプログラミングを学んでいる生徒・学生が中学校に駆けつけてきて、教えてくれるのだ。

 

 教えることは学ぶこと。高校生、高専生たちは、中学生たちを教えながら自分たちも学んでいく。旭川では、先輩が後輩を導きながら、ともに成長する仕組みができあがっているのだ。7月16・17日に開催された今年の事前講習会でも、旭川工業と旭川高専の生徒・学生、計10名の合同チームが資料を作成し、指導にあたった。

実行委員会による中学校への告知活動が実って事前講習会には32名が参加
実行委員会による中学校への告知活動が実って事前講習会には32名が参加
教材づくりを含めて高校生・高専生が中学生を指導する
教材づくりを含めて高校生・高専生が中学生を指導する

 今年の事前講習会には、中学6校、高校1校から計32名が参加。すでにノウハウをもっている中学校は事前講習会には参加していないことから、11月6日の本大会参加者は過去最多だった昨年の32名を大きく上回り、50名前後になるとみられる。

 

 ITジュニア育成交流協会は、旭川大会をはじめとする北海道内のU-16プログラミングコンテストを応援するとともに、「先輩が後輩を教える」仕組みをもつU-16プロコンのかたちを「旭川モデル」と名づけ、全国各地域への展開を支援していく。多くの子どもがプログラミングの楽しさに触れ、日本の未来を担うITジュニアとして育っていくために、地域の志ある大人たちとともに「旭川モデル」の定着を目指す。

 

(文:ITジュニア育成交流協会 市川 正夫)

(写真:U-16プログラミングコンテスト実行委員会)