U-16プロコン旭川・北海道大会、栄冠は中学3年生の成瀬有翔さんに

今年も旭川市科学館サイパルで開催。参加者が増えて満杯状態だった
今年も旭川市科学館サイパルで開催。参加者が増えて満杯状態だった

 16歳以下の子どもたちがプログラミングの腕を競う第7回U-16プログラミングコンテスト旭川大会と第4回U-16プログラミングコンテスト北海道大会が、11月5日、旭川市科学館サイパルで開かれた。会場には参加する選手や応援に駆けつけた教員・家族を含め、およそ100人が集まった。北海道大会の競技部門は、手に汗握る熱戦の末、午前中の旭川大会から勝ち上がった旭川市立愛宕中学校3年生の成瀬有翔さんが優勝。準優勝は帯広大会を勝ち抜いて北海道大会に出場した北海道立帯広工業高校1年生の柳沢佳吾さん、3位には成瀬さんと同じ旭川市立愛宕中学校3年生の瀬戸武蔵さんが入った。

 またU-16旭川プログラミングコンテストの作品部門では、金賞にゲーム「避けてみろ!」を制作した旭川市立中央中学校2年生の北川優奈さん、銀賞に『ぷよぷよ』や『ボンバーマン』という名作を彷彿とさせるゲームを制作した北海道旭川工業高等学校1年生の神野寛太君が輝いた。

北海道大会競技部門の優勝インタビューで喜びを語る旭川市立愛宕中学校3年生の成瀬有翔さん
北海道大会競技部門の優勝インタビューで喜びを語る旭川市立愛宕中学校3年生の成瀬有翔さん

 北海道大会の競技部門は、午前中に開催された旭川大会の上位16名と帯広大会の上位2名、釧路大会の上位3名の計21名によるトーナメント戦で行われた。この北海道大会で最も成績のよかった旭川大会の参加者が、自動的に旭川大会の優勝者になる仕組みだ。

 小学校6年生から高校1年生までの選手達が対戦型ゲームプラットフォーム「CHaser旭川版」を舞台に勝敗を決する。CHaserは、二つのプログラムを示すキャラクター、青の「COOL」(先攻)と赤の「HOT」(後攻)が、横15×縦17マスのマップにちりばめられたハート型のアイテムをより多く取るか、先に相手キャラクターの上にブロックを置く、もしくは相手が自滅することで勝敗が決まる。

青の「COOL」と赤の「HOT」が交互に動く単純なゲームで、参加はもちろん、観戦していても楽しい
青の「COOL」と赤の「HOT」が交互に動く単純なゲームで、参加はもちろん、観戦していても楽しい

 試合にあたって選手ができるのは、事前に書いたプログラムをサーバにセットすることだけ。試合中は相手プログラムとの戦いをただ見守るしかない。COOLとHOTが交互に100回程度動作することで試合が展開する。プログラムに使える動作は、1マス移動する「walk」、正方形で9マスの情報を得る「look」、直線上で9マスの情報を得る「search」、ブロックを置く「put」の4種類だけ。これに上下左右の4方向を組み合わせて、プログラムを書いていく。普通の選手でもおよそ1000行、多い選手では8000行ものプログラムを組み上げ、対戦に臨む。

選手たちは試合直前までプログラムの調整に余念がない
選手たちは試合直前までプログラムの調整に余念がない

 対戦では、順調にアイテムを取得して得点を伸ばすもの、敵が接近するとすかさずブロックを置いて勝利をおさめる攻撃的なものなど、いろいろな“性格”をもったプログラムが揃った。ずっと一定の動作を繰り返すだけで得点が伸びないものや、開始直後にいきなり場外に出てしまい自爆してしまうものは、年を追うごとに少なくなっている。

 動きにはプログラムごとに個性がある。固唾をのんでキャラクターの動きを見守るのは、選手だけでなく観戦に訪れた来場者も同じ。会場では、動きに応じて拍手や歓声が上がったり、ため息が漏れたりの連続だった。また、釧路高専OBの五十嵐優太さんの実況をはじめ、現役・OBを問わず、高専・高校の若いスタッフが運営に汗を流している姿が印象的だった。

うまくいってもいかなくても、声援と拍手とため息で会場は大いに盛り上がった
うまくいってもいかなくても、声援と拍手とため息で会場は大いに盛り上がった

 U-16旭川プログラミングコンテスト実行委員長の小川博東海大学教授は、「U-16プロコンを2011年に始めて今年で7回目、北海道大会は4回目を数える。旭川でも進んでいた理数科離れをプログラミングで変えていこうと考えたのがきっかけだった。2020年には小学校の義務教育でプログラムを教えることになった。今日集まった選手は、それを先取りしていることになる。楽しみながらプログラムを続けてほしい」と激励した。

出場選手を激励する実行委員長の小川博東海大学教授
出場選手を激励する実行委員長の小川博東海大学教授

 実行委員で審判長を務めた北海道旭川工業高等学校の下村幸広教諭は、競技後の講評で、「回を重ねるごとにプログラムは洗練されてきた。一番少ないときには参加者6人ということもあったが、中学校の先生を中心に背中を押していただいて、今年は60名を超える選手が参加するまでになった。参加した皆さんのプログラムは、なんとか難題を解決してやろうという意志が強く感じられるものだった。この経験はきっと将来に役立つと信じている」とエールを送った。

 なお、今年の大会では、旭川大会・北海道の競技部門優勝・準優勝者に、NPO法人ITジュニア育成交流協会の協賛企業である株式会社バッファローからポータブルHDDとマウスが副賞として贈られ、大会参加者全員にノベルティグッズが配られた。また、協会は作品部門を含めた各部門の優勝・準優勝者に図書カードをプレゼントした。

実行委員・審判長の北海道旭川工業高等学校・下村幸広教諭は、講評で「この経験は将来役に立つ」とエールを送った
実行委員・審判長の北海道旭川工業高等学校・下村幸広教諭は、講評で「この経験は将来役に立つ」とエールを送った

 「将来はパソコン関係の仕事をしたい」と話してくれた成瀬さんは、2018年1月26日に東京で開催されるBCN ITジュニア賞2018表彰式に招待され、BCN ITジュニアU-16賞を授与される。

選手全員と記念撮影
選手全員と記念撮影

 

(文・写真:ITジュニア育成交流協会 道越一郎)