第1回U-16プロコン三重大会、作品部門で開催、13作品が集合!

 11月3日、三重県鳥羽市の国立鳥羽商船高等専門学校で、第1回U-16プログラミングコンテスト三重大会が開催され、小・中学生が自分で考え、自分でプログラミングに取り組んだデジタル作品のできばえを競った。

大会終了後、審査員と記念撮影
大会終了後、審査員と記念撮影

●初の三重大会、ITジュニアの卵たちがつくった13作品が参加

 16歳以下の児童・生徒を対象とするU-16プログラミングコンテストは、パソコンやプログラミングが好きな少年少女のITに対する興味を深めることを目的に開催する地域密着型のプログラミングコンテスト。地域によって開催形態はさまざまだが、(1)パソコンやプログラミングに興味のある子どもたちに目標を与える(2)高専や高校でプログラミングを学ぶ学生・生徒が後輩たちを指導することで、ともに成長する(3)中学・高校・高専の先生方や地元企業から成る実行委員会の大人たちが、ボランティアで運営に取り組むという点が特徴だ。三重大会は、鳥羽商船高専が実行委員会の中心となって作品部門で開催した。

 鳥羽商船高専は、毎年夏休みに地域の小・中学生に科学・技術やものづくりを体験してもらう公開講座「サイテクランド in 鳥羽商船高専」を開催している。そのなかに、3年前から「いちごジャムでマイコンプログラミング」という講座を設けて、子どもたちにプログラミング体験を提供してきた。今年はこれをコンテストに発展させ、夏休みの講座を事前講習会として実施。11月3日に、夏からのプログラミング学習の成果を発表する場として、作品部門のコンテストを開催した。記念すべき第1回の今年は、工夫を凝らしたゲームや生活に役立つ13作品が参加した。

●高専専攻科の学生が展示準備をお手伝い

 コンテストの当日、午前中は参加者たちによる作品展示の準備時間にあてられた。鳥羽商船高専・江崎修央教授のゼミナールに所属する専攻科の学生たちが、運営スタッフとしてトラブル対応や機材の貸出し、設置などを手伝った。センサが計測したデータに応じて音が鳴る装置や10行以上のソースコードで構成されたゲームで、不具合があれば根気よく子どもたちといっしょに原因を探っていた。

高専専攻科の学生が展示の準備をお手伝い
高専専攻科の学生が展示の準備をお手伝い

 午後からは大会の本番、審査に入る。開会式で登壇した江崎教授は「発表と展示をぜひ楽しんでほしい。ほかの人に自身の作った作品を見てもらう、知ってもらう感動を味わってもらいたい」と述べ、参加者たちを激励した。

1分間で自分の作品を紹介する。緊張するがとても重要
1分間で自分の作品を紹介する。緊張するがとても重要

 コンテストの審査基準は、「発表」「アイデア」「技術」の3点だ。発表では、参加者が一人ずつ前に出て、作品の特徴や開発の経緯、つくる過程で難しかった点を、事前に用意したスライドやイラストを使いながら1分間で紹介した。展示審査は、展示作品の動作を地元IT企業などの審査員が確認し、子どもたちに詳細を質問する。すべての審査が終わり、評価を集計している間は、参加者同士で作品を確認し合ったり、作品でいっしょに遊んだりする場面が見られた。また、結果発表の前には、鳥羽商船高専の学生が開発したシステムの紹介が行われ、クオリティの高さで会場を驚かせた。

展示審査では審査員から次々に質問が飛んでいた
展示審査では審査員から次々に質問が飛んでいた
参加者同士の交流がみられたのは成果の一つ
参加者同士の交流がみられたのは成果の一つ

 審査は中学生の部に分けて行われ、小学生の部の最優秀賞には、津市立南立誠小学校4年生の田丸皓太さんが開発した「川下りゲーム」が選ばれた。船のアイコンを操作して、上から流れてくる減点マークを避けながら加点マークに当てるゲームで、加点以外に減点要素や時間制限を設けて競技性をもたせたことが高評価につながった。

小学生部門の最優秀賞に輝いた田丸皓大さん
小学生部門の最優秀賞に輝いた田丸皓大さん

 中学生の部の最優秀賞は、皇學館中学校1年生の井村風海大さんと鈴鹿市立鼓ヶ浦小学校5年生の長谷川直也さんがチームで開発した「ツンデレ貯金箱」。お金を入れると額に応じて表情を変える顔を正面に設置し、貯金のモチベーションを保つ。「貯金がなかなかたまらない」といった課題を、ユニークな方法で解決しようとした姿勢が好評だった。

中学生の部の最優秀賞、井村風海大さん
中学生の部の最優秀賞、井村風海大さん

●現役SEも作品のレベルに「驚いた」、成長に期待

 審査員を務めた現役のシステムエンジニア、東海テクノの舘信博さんは、「さまざまなアイデアの作品があって驚いた。不具合に気がついたときの対処が迅速で堅実。今後の成長が楽しみだ」と期待を口にした。

 事前講習会で講師を務めた岡村康子さんは、「参加者同士の交流や子どもたちの成長が感じられてうれしい。作品の幅が広いのは、課題を自分で見つけて解決しているから。いままでは教室で教えるだけだったが、これからは今回のようなコンテストを伴った活動を広げていきたい」と語った。

コンテストを支えた高専専攻科の皆さんを挟んで。岡村康子さん(左)と江崎修央教授(右)
コンテストを支えた高専専攻科の皆さんを挟んで。岡村康子さん(左)と江崎修央教授(右)

 全プログラム終了後、スタッフとして大会を運営した鳥羽商船高専専攻科の稲田樹さんは、「無事に終わってよかった」と安堵の表情をみせながら、「参加した子どもたちは手際がよく、いっしょに準備していても手伝うことは思っていたより少なかった」と微笑みながら語った。

 BCNは、小学生部門の最優秀賞に輝いた田丸皓大さんを、2018年1月26日に開催するBCN ITジュニア賞2018表彰式に招待し、BCN ITジュニアU-16賞を贈る予定だ。

(文・写真:BCN 南雲亮平)