第2回U-16プロコン三重大会、作品部門で開催、小学校6年生が優勝

 10月21日、第2回U-16プログラミングコンテスト(U-16プロコン)三重大会が三重県鳥羽市の国立鳥羽商船高等専門学校(鳥羽商船高専)で開催された。マイコンやウェブページ、スマートフォン向けプログラムなど、小・中学生が自由につくったデジタル作品を評価する作品部門の大会である。

事前講習会の後、2カ月にわたって学習をフォロー

 昨年の第1回U-16プロコン三重大会は台風の影響で当初の開催日が延期になり、日程調整に苦労したが、今年は晴天の下、鳥羽商船高専の文化祭「海学祭」のなかで、作品展示を兼ねての大会となった。

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大会に参加した小・中学生の子どもたちと審査委員
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地元を中心に多くの人が来校。校舎内の展示や出店などを楽しんだ

 大会に向けて、8月には鳥羽商船高専と鈴鹿工業高専の2カ所でプログラミングの事前講習会を開催。学生がチューターになって、小・中学生にプログラミングを教えた。事前講習会から大会までの2カ月は、鳥羽商船高専の江崎修央教授とその研究室に所属する学生たちが、プログラム開発に関する小・中学生の質問や相談に応じた。そして大会当日は18組21名の作品がエントリー。午前中は一般来場者向けに作品を展示し、午後からは審査を行った。

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マルチメディア教室に作品が勢ぞろい。一般来場者も会場に足を運んだ
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大会運営に携わった江崎教授(右上)、鈴鹿高専の浦尾准教授(左上2番目)、事前講習会の講師を務めた岡村康子さん(左上3番目)と鳥羽商船高専の学生たち

最優秀賞は小学校6年生の田中魁さんが獲得

 審査の前に行われた開会式の冒頭、鳥羽商船高専の林祐司校長が「コンテストに応募すること自体が大事なことだ。プログラミングとデータベースが中心の世界で、皆さんはその一方をものにしようとしている。これからも勉強していってほしい」と、子どもたちにエールを送った。
 そして始まった審査は、アイデア、技術力、発表力の三つのポイントで評価し、総合得点の高い作品が最優秀賞となる仕組みだ。大会の協賛企業から選ばれた審査委員が18組のブースを回り、子どもたちから作品紹介を聞いて、工夫した点、苦労した点など質問しながら審査を行った。

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審査委員の質問に一生懸命に答える子どもたち

 マルチメディア教室に展示された作品たちは、ふだんの生活で困ったことを解決したり身近な作業を便利にしたりするものや、ハンダ付けですごろくやUFOキャッチャーなどの機器を制御するプログラムなどのほか、子どもならではのさまざまなアイデア溢れるものばかり。そのなかで、敵の攻撃をかわしながらコインを集めて制限時間内に宝箱を盗むゲーム「イケイケ!カイトウ!」をつくった鈴鹿市立稲生小学校6年生の田中魁さんが最優秀賞に輝いた。

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文化祭の屋外メインステージで表彰式を実施。多くの人が拍手を送った

 田中さんは、来年1月18日に開催されるBCN AWARD 2019/BCN ITジュニア賞2019表彰式に招待され、BCN ITジュニア U-16賞を授与される予定だ。

(文・写真:ITジュニア育成交流協会 江守譲)