第2回U16プロコン東京大会、品川で開催。競技部門の優勝は松田吏生さん、作品部門の最優秀賞は小3の山下瑳久さん
2024年12月12日
イベント
U-16プログラミングコンテスト東京大会実行委員会は12月8日、第2回U-16プログラミングコンテスト東京大会を開催した。会場は東京都品川区の東京都立産業技術高等専門学校・品川キャンパス。競技部門12名、作品部門3名が出場した。競技、選考の結果、競技部門では、文京区立文林中学校の、ニックネームRIOこと、松田吏生さんが優勝した。作品部門では八王子市立散田小学校の、ニックネームカマキリこと、山下瑳久さんの作品「アイシャルディスタンス」が最優秀賞を獲得した。
競技部門は、碁盤の目状のフィールドを舞台に戦う1対1の対戦プラットフォーム「CHaser」で実施。わずか16のコマンドを駆使しつつ、様々な場合に対応するよう組み上げたプログラム同士を戦わせる。フィールドに散らばるアイテムを多く集めながら進み、基本的には集めたアイテムが多い方が勝利。しかし、相手のコマの上にブロックを置く「プット」が成功すれば、獲得アイテム数に拘わらず勝利するのが特徴だ。対戦は先手後手を入れ替えて計2回戦い、合計ポイントで勝敗を決める。
競技部門で優勝した松田さんは予選を2位で通過。決勝トーナメントのシード枠を獲得し好スタートを切った。決勝トーナメントでは、順々決勝でプット勝ちを決めるなど、2勝して準決勝に進出した。準決勝では予選3位の選手と激突。初戦はアイテム数で勝利を収めたものの、2戦目ではポイントで及ばず、今大会初めての敗戦を喫した。しかし合計ポイント数で上回り決勝進出を果たした。決勝戦では、ニックネーム柿の種こと、柿部聡さんとの戦い。初戦は21対20の大激戦ながら、1ポイント差で松田さんが勝利した。この熱にほだされたか、2戦目では対戦システムにトラブルが発生。スタッフは対応に追われた。無事復帰したシステムで戦った2戦目も、7ポイント差で松田さんが勝利を収め、見事優勝した。インタビューでは「運で勝ち進んだ気もするが、運も実力のうち。来年も多分出る」と話した。惜しくも準優勝にとどまった柿部さんは「プット勝ちを狙いに行ったが、マップとの相性が悪くうまくいかなかった」と悔しさをにじませた。
自由部門で最優秀賞を獲得した山下さんは小学校3年生。作品「アイシャルディスタンス」は視力低下を防ぐ装置で、スマートフォンやタブレットなどの端末にはさんで使用する。マイクロビットに超音波センサーと光センサーを組み合わせた。端末との距離が近づきすぎたり、暗すぎたり、端末を20分以上使い続けたりすると、音や光で警告を発する。プレゼンテーションの内容も、課題の設定から解決方法まできちんと整理。試用者の感想にも触れた本格的なものだった。プレゼンテーションぶりも小3と思えないほど堂々としたもので、大いに注目が集まった。
開催にあたってあいさつに立った、MotionMakers 代表理事の中西日知 実行委員長は「このコンテストで初めてプログラミングを学ぶ人が多いのが東京大会の特徴。短期間でコンテストに出場できるまでになる、というのはすごいことだ。大会のコンセプトは『パソコン好きの子どもたちをほめたたえる場をつくりたい』というもの。このコンテストが、出場者にとっていいアウトプットの場になってほしい」と話した。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)