第4回U-16山梨プロコン2021、
競技部門が復活

 12月11日、山梨県甲府市の甲府工業高校で、4回目を迎えるU-16山梨プログラミングコンテスト2021(U-16プロコン山梨大会)が開催された。昨年の第3回大会は新型コロナウイルスの蔓延防止のために競技部門を中止し、作品部門のみの開催だったが、今年は競技部門が復活。感染対策を万全に行ったうえで、小・中学生がプログラミングの腕を競った。

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競技部門は中学1年生の兵藤蒼空さんが制する

 U-16プロコン山梨大会は、NPO法人山梨ICT&コンタクト支援センターが中心となり、これまで毎年12月に開催してきた。第4回の今年は、対戦型ゲーミングプラットフォーム「CHaser」で勝敗を競う競技部門と、ゲームやウェブコンテンツ、スマートフォン向けプログラムなど、自分がつくったデジタル作品を子どもたちがプレゼンテーションして、審査員が評価する作品部門を設けた。競技部門は2年ぶりの開催だ。

 今年の参加者は、県内の小学校1年生から中学校3年生まで、12人。両部門にエントリする子どもが多く、競技部門が8人、作品部門が9人だった。先に競技部門を行い、その後、会場を移して作品部門を開催した。また、新型コロナウイルス感染対策で、それぞれの会場には少人数で入室し、他の参加者や家族は大教室の控室で対戦やプレゼンテーションの中継を楽しんだ。

 競技部門は参加者を2グループに分けて、予選はグループ内の総当たりで、勝ち残ったグループ1位、2位の4人がトーナメントで優勝を目指した。順当に両グループ1位同士の対戦となった決勝戦は、兵藤蒼空さん(北杜市立甲陵中学校1年生)が今村太河さん(甲府市立上条中学校3年生)にプット勝ちの2連勝で優勝。作品部門だけに参加している子どもたち・家族からも歓声が上がった。

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プット勝ちの2連勝で優勝した兵藤蒼空さん

作品部門は横澤幹大さんのRPGが金賞に

 作品部門は、参加者が自分の作品を紹介する5分程度のプレゼンテーション、審査員による質疑応答を経て、「プロダクト」「テクノロジー」「アイデア」「総合評価」の評価基準で審査した。金賞に輝いたのは、横澤幹大さん(山梨市立日下部小学校6年生)の作品『ゆいいつの勇者の物語(異世界系RPG)』。異世界に飛ばされた主人公が、村人から情報を収集したりスライムを倒したりして、最後はラストボスを倒すというストーリーのロールプレイングゲームだ。
 銀賞には競技部門で優勝した兵藤蒼空さんのシンプルなライフゲームのiPhoneアプリ『LifeGames』、銅賞には堀江晃太郎さん(北杜市立甲陵中学校1年生)のロケットが障害物を避けるゲーム『Goal or Crash』が入った。

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横澤幹大さんの作品『ゆいいつの勇者の物語(異世界系RPG)』

2020年新設の甲府工業高校専攻科が指導・運営で協力

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会場の甲府工業高校専攻科創造工学科棟

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最後は両部門の入賞者で記念撮影

 大会に向けて、今年もプログラミング指導や会場の提供・運営などで協力した甲府工業高校は、2020年4月にそれまでの建築系に加えて機械系・電子系からなる全日制専攻科(2年制)の創造工学科を新設。10月3日に開催した事前講習会では、創造工学科電子系コースの卯月英二実習教諭が講師に立ち、専攻科2年生1人、1年生4人がチューターとして子どもたちを指導した。また、今年の会場は新しい教室で、参加者は最新の設備を利用しながら半日のコンテストを楽しんだ。

 毎年、着実に参加者が広がっているU-16プロコン山梨大会。学校の友人や兄弟・姉妹で参加し、大会当日は家族ぐるみで会場を訪れるケースが目立つのも、山梨大会の特徴だ。この輪が地域や学校に広がり、大会への参加が子どもたちの学びの目標になる日はすぐ目の前に来ている。

 今大会の競技部門で優勝した兵藤蒼空さん、作品部門の金賞に輝いた横澤幹大さんは、1月にオンラインで開催するBCN ITジュニア賞表彰式に招待され、全国(都道府県大会)のU-16プロコンの優勝者とともに、BCN ITジュニア U-16賞を受賞する。ITジュニア育成交流協会の協賛企業からは、豪華な副賞が贈呈される予定だ。

(文・写真:ITジュニア育成交流協会 市川正夫)