苦節6年、富良野西中3年の石黒幹太さん初優勝──第12回U-16旭川プロコン

 U-16旭川プログラミングコンテスト実行委員会は11月3日、第12回U-16旭川プログラミングコンテストを北海道・旭川市で開催した。メイン会場はイオンモール旭川駅前4Fのイオンホール。サテライト会場の旭川ICTパークでは、競技部門のパブリックビューイングと作品展示を行った。競技部門では35名が出場、作品部門では33作品がエントリーした。熱戦の末、競技部門は、富良野市立富良野西中学校3年の石黒幹太さんが優勝した。今回から新たに加わった学校対抗戦でも富良野西中学校が優勝した。作品部門では、高校1年のさいさんの作品「SAI」が、また、IoT部門では、旭川市立中央中学校2年の坪川佳樹さんの「球転がしゲーム」がそれぞれ金賞を獲得した。

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競技部門初優勝で喜びのコメントを語る富良野市立富良野西中学校3年の石黒幹太さん

 3年ぶりに参加者を会場に集めてのリアル開催を実現させた今回、会場にはいつもの歓声やどよめきが帰ってきた。競技部門は、例年通り対戦型ゲームプラットフォーム「CHaser」で実施。今回はTwitchでの生中継も行った。横15、縦17のマス目状のフィールドを舞台に、参加者が作成したプログラム同士を戦わせる。ちりばめられたアイテムをより多く取るか、相手の上にブロックを置く(プットする)ことで勝敗が決まる。アイテムの数よりプットが優先され、プットすればその時点で勝ちだ。

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メイン会場は、今年もイオンモール旭川駅前4Fのイオンホール

 開会式であいさつに立った、北海道旭川工業高等専門学校 校長の五十嵐敏文 実行委員長は「旭川市はユネスコ創造都市ネットワーにデザイン分野で加盟している。プログラミングもとてもデザイン性の高いもの。今までの努力を存分に発揮できるように全力で頑張ってほしい」と話した。

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開会式であいさつに立った、北海道旭川工業高等専門学校 校長の五十嵐敏文 実行委員長

 午前中の予選では、主催者側が用意したボットと対戦し順位を決定。上位16人が勝ち残った。決勝トーナメントでは、先攻後攻を入れ替えながら2回戦って雌雄を決する。今年の特徴は、ハイレベルな戦いが多かったこと。例えば、サーバーに接続できないという初歩的なエラーを起こしたり、同じエリアにとどまってループしたり、壁にめり込んで自滅したりする選手は少なかった。特に午後の決勝トーナメントでは、それぞれ手に汗握る見ごたえのある戦いが展開された。

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例年にも増してハイレベルな戦いが繰り広げられ、歓声やどよめきが響いたイオンホール

 競技部門で優勝した石黒さんは小学4年生からの参加。6度目の挑戦で見事頂点に立った。予選は69点で5位通過。決勝トーナメントでは1回戦、2回戦準決勝とそれぞれ2戦全勝で決勝に進出した。決勝戦の1戦目は、危うく自滅しそうな場面もあったが、しっかり回避。会場にはどよめきが起こった。ところがアイテム6個差で敗戦。後がない2試合目では、早々にプット勝ちを収め、劇的な逆転で優勝を決めた。

 黒田さんは「去年はバグを修正しきれず、予選落ちと悔しい結果だったが、今年はしっかりバグを修正して臨んだ。力を入れたのはランダムウォークのアルゴリズム。うまくプット勝ちを決められてうれしい。小学4年生から出場してきたが、先輩方が強くてなかなか勝てなかった。6年目でやっと優勝できた」と優勝の喜びを話した。

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ニャンちゅうさん(左)と黒田さんが戦った決勝戦

 準優勝は富良野市立富良野東中学校のニャンちゅうさん。予選66点で6位通過、決勝トーナメント1回戦1試合目ではプット勝ちと好調なスタート。2試合目も危なげなく勝利し勝ち上がった。準決勝では、残り104ターンで相手のコマとにらみ合い、互いに動けなくなる珍しい状態のまま終了。アイテム数4個差でまず1勝した。2試合目も3個差と僅差ながら勝利し決勝に進出した。「前回は予選でエラーになって終わったが、今回は完璧に直してきた。特にアイテムを取る部分をしっかり書いて来たので勝ちたかった。本当に悔しい。どうしようもなかった。次回は頑張りたい」と話した。

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プログラムの出来栄えを評価され審判長特別賞を受賞した富良野市立富良野西中学校1年の小河樹生さん

 そのほか、審判長特別賞を受賞したのが富良野市立富良野西中学校1年の小河樹生さん。予選で93点と最高得点を獲得、ぶっちぎりの1位で予選を通過した。しかし、決勝トーナメントの1回戦、1試合目でプット負け。2試合目では着実にアイテムを集め一矢を報い1勝1敗に持ち込んだものの、アイテム数2個差で惜しくも敗退した。総評で、旭川工業高等専門学校教諭の小檜山淳 審判長は「とてもいいプログラムだったことを評価して審判長特別賞とした」と話した。

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閉会式であいさつに立った旭川市教育委員会の野﨑幸宏 教育長

 閉会式であいさつに立った旭川市教育委員会の野﨑幸宏 教育長は「コンテストの場がある、ということは、子どもたちの目標になり大変意義深い。大会参加を通じて、学校で学んだことを生かして、プログラミングの力を伸ばす子どもたちが増えていくことを大いに期待している。旭川からスタートしたこのコンテストが、全国に広がっていくことも期待している」と話した。

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作品部門で金賞を獲得した、高校1年のさいさんのグラフィック作品「SAI」(左)と旭川市立中央中学校2年の坪川佳樹さんの「球転がしゲーム」

 これまでは、北海道大会の予選に位置づけられる旭川大会と北海道大会は同日に開催していたが、今回より分離。旭川大会で準決勝まで勝ち残った4名が、12月18日に開催する北海道大会の出場権を得た。また旭川大会で優勝した黒田さんは同日に開催する「プレ全国大会」への出場を決めた。会場は今回同様イオンモール旭川駅前4Fのイオンホール。さらにレベルの高い戦いが期待できそうだ。
ITジュニア育成交流協会・道越一郎)

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入賞者で記念撮影