OBはECサイトで大成功――中国・山東省大学生ソフトウェア設計コンテスト

 15年の歴史をもつ山東省大学生ソフトウェア設計コンテスト。その最初の優勝者が、ECサイト「山東二五六」を経営する丁玉树副総経理だ。コンテストへの挑戦から何を学び、何を生かしたのか、話を聞いた。

 二五六グループは、B to BのECサイト「チャンネル256」などを運営し、業容を拡大してきた。IT・デジタル関連のハードウェアを扱い、それまで販売店が複数拠点に発注をかけていたのを一元化して、「ワンストップショッピング」「ワンストップ決済」「ワンストップ配信」など、「ワンストップ」をキーワードに成長を遂げた。2017年度の年商は、前年の倍となる約200億元。九つの子会社をもち、従業員は600人を数える。丁副総経理は二五六創業メンバーの一人で、2003年のソフトウェアコンテストでいっしょに戦ったもう一人の仲間とともに、計8名で2008年に起業した。

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B to BのECサイト「二五六」を経営する丁玉树副総経理

 今年34歳の丁副総経理が学生時代に挑戦した2003年の第1回のソフトウェアコンテストでは、コンピュータ対戦型の五目並べをつくるという課題に取り組んで優勝した。「大会を通じてチームワークというものを学び、夢を共有してがんばることのすばらしさを味わった。もちろん、そこでコンピュータやインターネットの基本的な知識を得たことが、後の起業に大いに役立った」と、丁副総経理は振り返る。「起業当時、山東省のコンピュータのレベルは低く、みんな自分の得意分野を生かして何かをやりたがっていた」。その受け皿にもなったかたちだ。

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二五六の主要サイトの一つ「チャンネルQD256」

 インタビューの最後、ITを志す若者へのアドバイスを求めると、「大事なことは二つ。一つは夢をもつこと。あきらめず夢を追い、目標を立て、実現する方法を考えて実行することだ。もう一つは、やり遂げること。やると決めたら最後までやりきること」と話してくれた。丁副総経理と山東二五六の今後の活躍を見守りたい。
(取材・文・写真:ITジュニア育成交流協会 道越一郎)