U-16プロコン釧路大会は村上渚さんが優勝、和やかな雰囲気が強さの秘密

 秋晴れの10月14日、北海道釧路市で第6回U-16プログラミングコンテスト(U-16プロコン)釧路大会が開催され、子どもたちが事前講習会で培ったプログラミングの技を競った。

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入賞者と参加者・実行委員会の面々。賞状を手にするのは、左から3位の高本凛さん、1位村上渚さん代理の寺地海渡さん、3位の村田貴弘さん

 オランダ船籍の大型クルーズ客船「アムステルダム」が接岸する釧路港耐震岸壁。ゆっくりと降り立ってくる船客を見下ろしながら、目の前の釧路市観光国際交流センターの視聴覚室では、U-16プロコン釧路大会の準備が進んでいた。6回目を迎えた今年の釧路大会は、7月7・8日の説明会&体験会を皮切りに、8月11・12日、8月18・19日、そして大会2週間前の9月30日に事前講習会を開催。ホームページをリニューアルし、市内の中学生全員分のチラシを用意するなど、充実した体制で臨んだ。

 釧路大会の最大の特徴は、アットホームな雰囲気にある。参加者の年齢に近い釧路高専の学生たちが実行委員会に加わって、主体的に"後輩"たちの指導あたっていて、大会に参加する釧路工業高等専門学校(釧路高専)の1年生たちはもとより、事前講習会などを通じて中学生とも顔が見える関係になっている。大会運営を支える大人たちも、OSC北海道やU-16プロコン旭川大会などで交流を重ねているメンバーで、気心が知れている。プログラムの進行中にサーバーなどのトラブルが起きても、専門家集団があわてずに次善の策を練る。対戦中のBGMや実況も回数を重ねて洗練され、集まった子どもたちと父兄を自然に興奮の輪に引き込んでいた。こうした和やかな雰囲気が子どもたちの次のステップへのモチベーションを生みだし、過去4回の北海道大会で2人の優勝者を出すという強さにつながっている。

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ダブル実況とBGMが会場を盛り上げた

 14日の大会は、事前講習会を受講した中学生から数名の辞退者が出て、最終的に参加したのは9人(1人はプログラムでの参加)だった。よく練り込んだプログラムが多く、対戦中は「さすが釧路」という声が上がっていたほど。釧路高専専攻科1年生の寺地海渡さんの解説は、的確に勝因・敗因を浮かび上がらせ、今後のプログラムのブラッシュアップにつながるアドバイスになっていた。2ブロックで総当たり(先攻・後攻交代の2回戦制)の対戦を行い、見事優勝を射止めたのは、プログラム参加の釧路高専1年生、村上渚さん。準優勝は釧路市立北中学校3年生の高本凛さん、3位には北海道教育大学附属釧路中学校1年生の村田貴弘さんが入った。3人は、11月3日、U-16プロコン旭川大会と同時に行われる北海道大会に出場する。終了後の電話インタビューで、優勝した村上さんは「北海道大会までにさらにブラッシュアップしたプログラムを書く」と、11月3日への決意を語っていた。

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会場の釧路市観光国際交流センター

(文・写真 ITジュニア育成交流協会 市川正夫)