U-16山梨プロコン2023、競技部門では昨年のリベンジで吉田怜一さんが優勝、作品部門では青柳篤司さんのVRゲームが最優秀賞

 U-16山梨プログラミングコンテスト実行委員会は12月10日、U-16山梨プログラミングコンテスト2023を開催した。山梨県立甲府工業高等学校・専攻科を会場に、競技部門、作品部門合わせて10名が参加。CHaserを使った競技部門では、山梨学院小学校6年の吉田怜一さんが優勝。作品部門では山梨市立笛川中学校1年の青柳篤司さんの作品「VRの世界を救え!!」が最優秀賞を受けた。

01.jpg

昨年より完成度が高まっていて驚いたと話す、大橋太郎 実行委員長

 開会にあたって、電波新聞社の特任ライターで、U-16山梨プログラミングコンテスト実行委員会の大橋太郎 実行委員長が挨拶。「事前に作品を見せてもらったが、去年にも増して今年は完成度が高まっていてびっくりした。プログラミングはデジタルだが、頭の中にあるものはアナログ、見るのもアナログ。先月はここ山梨でFMラジオをつくる講座を開いた。コンピュータも面白いが、アナログ技術と相まって役に立つもの。こうした電子工作にも興味を持ってほしい」と話した。

02.jpg

競技部門で優勝した吉田怜一さん

 競技部門で使用したCHaserは、選手があらかじめ作成したプログラム同士を戦わせるゲームプラットフォーム。碁盤の目状のフィールドに散らばるアイテムを相手より多く獲得するか、相手にブロックを置けば勝ちだ。吉田さんは4戦全勝のパーフェクトで優勝を勝ち取った。昨年は惜しくも準優勝に終わったが、見事リベンジを果たした。準優勝は青柳侑さん。一緒に出場している兄を破って3勝を挙げたが、吉田さんとの直接対決で敗れたのが響き、一歩及ばなかった。

03.jpg

作品部門で最優秀賞を受けた青柳篤司さん

 作品部門では今年から1次2次と2段階の審査を実施。1次審査を通過した7作品の作者が、それぞれプレゼンテーションを行った。最優秀賞を受けた青柳篤司さんの作品「VRの世界を救え!!」は、ゲームエンジンUNITYを使って開発したVRゲーム。突然大量発生したゴブリンの原因を突き止めてVRの世界を守る、という設定だ。「小学校の卒業祝いにVRゴーグルを買ってもらったのでゲームを作りたくなった」という。審査員からは「よくもここまで作り切った」と高い評価を得た。表彰式が終わった後も、VRゲームを体験してみたいと、他の参加者が集まっていた。

04.jpg

表彰式で講評する宮本久仁男 審査委員長

 表彰式では、NTTデータグループのセキュリティマスターで、U-16山梨プログラミングコンテスト2023の宮本久仁男 審査委員長は「しっかりと動くことと完結することが大事。細かいことの積み上げかもしれないが、UI/UX(ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンス)をきちんと考えて動かせることが重要だ」と総評した。また「今年は1次審査、2次審査に分けることになったが、告知がぎりぎりになってしまった。そのため応募できなかった人もいたかと思う。その救済を考え、U-16+1として、来年に限って17歳まで応募範囲を広げることを検討している」と話した。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)

05.jpg

参加者全員で記念撮影